『お前のお兄ちゃんだよ』

そういって目の前に現れたとき、戸惑いと怒りと、だけど半分以上に喜びが存在していて。

『栞は俺の彼女』
『栞も一緒に食べるから』

そう言われたとき少し胸が苦しくなったのはきっと、“家族”の時間を邪魔されたくなかったからで。

きっとそれは駿と栞さんが出かけている今の気持ちも同じなんだと思う。



本当はずっと、ずっと

帰ってきた兄と、真と

たくさん話がしたかった。



本当はずっと、素直に

「おかえり」て、言いたかった。