「やめ…っ離してっ…」

「俺が嫌い?」

「え…」

「そうだよな。約束破ったんだもんな。嫌われて当然だよな」

「まこと…?」

「だけど俺は、一回も一度も、心を忘れた日はなかった。絶対また会いに来るってそう自分自身に誓ったから」

力強い腕に肩を掴まれ、ゆっくりと体が離れる。
その目は、顔は腕は…体は、私の知っているあの頃の真とは全然違っていて。

「…彼女いるのにそんなこと言ってたら真、ただのシスコンだよ」

「あぁ、いいよ。俺シスコンだから」

「は?」

「俺の中で一番大切なのは彼女じゃない。お前だよ、心」

そう放った目は、冗談なんかじゃないとわかるまっすぐな瞳で。

「そんなの…っ私だって本当は…会いたかったよ」

その瞳に見つめられたら、素直な気持ちを隠すことなんてできなかった。