「…ありがとう」

別になにを言うわけでもなくただお礼を言ってそのアイスを受け取る。
ちょうどお皿に盛ったからあげが無くなったところだったからありがたかった。

「これ、なんのドラマ?」

「え?知らないの?」

「俺、家でドラマあんま見ないもん」

「あはは、確かに。昔から駿はスポーツ番組ばっかりだったね」

アイスを持ってきてくれた駿は自分の大好物のバニラバーを開けて私の横に座る。
チャンネル変えて、なんて言わず私と一緒にただドラマに目を移す。

「これさ、最後どうなんの?」

「確か、小説だとヒロインが気持ち伝えてハッピーエンド、だったかな」

「へぇ。やっぱ、ドラマとか漫画とか小説とか。作りもんだとうまくできてんだな」

「まぁそりゃ、人に見せるものだからね。バッドエンドよりハッピーエンドの方が人気は出るでしょ」

「でも俺は、バッドエンドも面白いと思うけどな」

「え?」

「現実味が、あるし」

「駿?」