「んー…」

ぐーっと腕を伸ばし体全体を伸ばす。
ベッドから立ち上がり制服を適当に脱ぎ捨てて私服に着替える。

そしてトン、トンと音を立てながら下へ降りていくとリビングからはワイワイとした声が聞こえてきていた。

「…」

ガチャとリビングの扉を開けるとそこにはもう、真や真の彼女、そして駿、駿の両親まで揃っていた。

「もう遅いわよ、心。ほらこれお箸とお皿」

「あ、ありがと」

お母さんの手から受け取ると、顔をゆっくりとあげる。

「心ちゃんもよかったなぁ、お兄ちゃん戻ってきて!」

「本当あの頃は毎晩泣いていましたから」

「あははは!懐かしいなぁほんと。まさか彼女まで連れて帰ってくるとはな」

「びっくりだよあははは!」

お祝い事になると…いや、いつもと同じ、だけどいつも以上にお酒が回っているおじさんとお父さん。
私は二人の横を通って自分の席に着こうとした。