私と真が離れ離れになったのは小学二年の時。
その日熱があると学校を休んだ真を心配して早く会いたくて学校が終わってすぐに家に帰った。
だけど家に帰るとそこには誰もいなくて、ただお父さんに肩を抱かれて泣いているお母さんの姿があるだけだった。
『…まことは?』
『っ…う…っ』
私がどんなに真は?と聞いても答えてくれないお母さん。
そんな私にお父さんは、
『真はちょっと今日から離れて暮らすことになっちゃったんだ』
と、告げる。
私は真みたいに頭も良くないし、運動だってすべてができるわけじゃない。
だけど、そのお父さんの言葉の意味は理解した。
それは、
真とは離れ離れ、それを示す言葉だった。