ありがとう、ありがとう。

私を、この道に気付かせてくれて。
私を、ずっと、待っていてくれて。

ありがとう。


「駿」

「…ん?」

「ありがとう」

「なに、急に」

「…駿」

「なんだよ」

顔を上げて目が合うとニッと歯を見せて笑う。
それにつられて私も、笑う。


そしてもう一度、ぎゅっと手を握り駿に満面の笑みを浮かべ、口を開いた。