良いところも、悪いところも
ずっと知らなかった真のことを知って、家族…兄妹に、なりはじめていて。


「もうずっと、私の中には駿しかいなかったよ」

きっと、ずっと。
私の中には真じゃない誰かがいたの。

それをやっとわかったのはあの日、真に気持ちを伝えた時。

きっと真に気持ちを言うのにあの時私一人だったら絶対に言えなかった。だけど言えたのは私のことを待っててくれるといった駿がいたからで。

「凄い、遅くなっちゃったけど、さ。その…私と、」

幼馴染に、ずっと一緒にいた人に気持ちをいうのってこんなに恥ずかしいものなんだ。だけどそれを乗り越えて駿はあの日私に気持ちを伝えてくれたんだよね。

それなら、次は―…

「私と…っ「俺と、付き合ってください」

私が言おうとしていた、その言葉が。
気が付けば先になぜか私の耳に届いていて。

だけどその言葉を言ったのは一人しか、いない。

それは目の前にいる、駿からの言葉で―…

「な、なんで先に、言うの…」

その言葉を聞いた瞬間、涙が、溢れてきた。