平然と言う私に対し、横でみるみるうちに顔が赤くなっていく駿。

それをみて、ニヤニヤとしている真は
「俺、…先行くわ」
といってスキップで学校までの道を先に行く。

二人になった私たちは、なぜかお互いに口を開かなくて。だけど、そんな雰囲気も私たちに耐えられるわけ…なくて。

「もう、吹っ切ったの?」

「え?」

「…あいつ」

顎で指すのは、前でスキップしているあのバカな兄。そんな真を見てクスクス、と笑う。

そっか。そうだよね。
付き合っているつもりでいた、なんて。
ずっと待っててくれた駿に対して失礼だよね。

うん、うん。

「うん、もうとっくに」

真を吹っ切った、なんて感情私にはなくて。
だけど心の中にはもう、真へ対する気持ちはなくなってて。

きっとそれはあの日からもう、私たちは兄妹の道を歩き始めているからで。