だけど、もう。


「そういえば今度の土曜、栞が一緒に水族館に行かねーかって」

「えー?どこの?」

「隣駅?なんか新しくオープンするみたいで」

「へぇ。どうする?駿」

「あー…でもこれ、カップルチケ、限定だわ」

歩きながら駿の方へ向こうとすると横から真がニヤニヤしたような口調で、そう言ってきて。

「ふーん。だから?」

「いや、だからって…」

「カップルじゃなきゃ入れねーってことだろ?」

真に続いて駿がそういう。

「うん、だから何よ」

「だからなにって、お前な…って、え?」

私が顔色変えずにそういうもんだから、真は驚いて駿の顔を見る。
だけど駿も、へ?というような顔をして私を見ていて。

「え…私、もう付き合ってるつもりでいたん…だけど…」