「心、帰るか」
「うん。帰ろっか」
お昼ご飯を食べてHRをして、今日の学校は終わった。
初日から午前だけ授業がある…なんて本当に残酷な学校だけれども、お昼すぎぐらいに終わってくれるのは本当に素直にうれしいことだ。
「あ、心。駿」
下駄箱で上履きから履き替えようとしたときもう今日一日でこれでもかと思うくらい聞き覚えのある声が私と駿を呼び止める。
「おぉ、モテモテのご様子で」
駿がそういったそいつの後ろについてきたのは、目がハートになっている女の子たち。
「みんな仲良くしてくれてるよ」
「そりゃぁよかったもんだ」
入学式の時から、駿のモテモテさもそりゃまぁ凄かったけど、こいつはその倍…をいっているかも。
「ところで一緒に帰ってもいい?どうせ同じ家だし」
「「「えっ!?」」」
めんどくさいことをサラッと言ってくれたおかげで後ろにいた女子たちがギロっと私に目線を移す。