いつから?いつから、駿は苦しかった?
私の手を一方的に引くのはどれほど苦しかったかな?辛かったかな。
今度は私も一緒に歩きたい。
駿の手を取って、たまには私も駿の手を引きたい。
だけどそれをするにはまだ、早いから。
「駿、もう少しだけ待っててくれる?」
「…え?」
「もう少しだけ。私に力をちょうだい」
そう言って駿の手を取ると、驚いた顔をしていたがすぐに笑顔になってぎゅっと握り返してくれる。
「あと少しだけだからな」
「うん、わかった。…じゃあ、行ってくる」
何年も待たせた。だけどずっと待っててくれてた。
もう、これで連れていってもらうのは終わり。
これからは二人で歩いていくの。
だからもう少し、もう少しだけ先で私のことを待ってて。
早足で駆けつけるから。
私は駿の手をゆっくりと離し、公園から駆け抜けた。