だけど、今は違う。

恋をしたことのある駿なら私にとってある意味先輩で。

「恋か。…うん、したことある」

「それってさ辛かった?」

「ていうか、今もしてるけど」

私の返事になっていない言葉が耳に届いてそれだけで驚いて。

「…え!?してんの!?今!?だれ!?」

聞きたいこと、たくさんあったのにもうそれどころじゃなくて。布団から出て駿に近づく。


「誰って…お前だけど」

「…は?」


こいつは、なに言ってるんだろうか。
はぁとため息をついて再びさっきいた場所に体を戻す。


「冗談とかいらないんだけど」

「冗談じゃねえんだけど」


そう言った駿の声が保健室に響いて。今は誰もいない私と駿しかいない保健室が一気にシーンと、静まり返った。

「…え、本当なの?」

ゆっくりと駿に目線を移し目を合わせると駿は真面目な顔でこっちを見ていて。