「そうだ、飯と言えば…」

思い出したかのように私のおでこから手を外しガサゴソとなにかを探っている。

「…ん?」

なにを探しているのだろうかとはてなまーくを浮かべた私に、ほらっと出てきたのはどこかのクラスがやっている焼きそばで。

「え、駿のは?」

「俺はお前が寝てるときに食った」

「でもいいよ。私お腹減ってない…」

「食え。お前朝も食ってないだろ」

そういわれてあぁ確かにと頷く。
気が付けばここ最近ご飯を滅多に食べてなくて。飲み物とかヨーグルト、とか喉にすーっと入っていきやすいものばかり食べていた。

別にそれに理由なんてなくて。
ただ真と栞さんのことを思い出すたびにご飯が喉に通らないというかなんていうか。

「さっき抱えた時、軽かったし。もっと食えよ」

「ダイエットしてんの」

「嘘つけ、したことねえだろそんなの」

食べない、と言い続けても駿にはそんなの通じなさそうで。私は駿の手から焼きそばを受け取りゆっくりと口にした。