「貴方も加担していたの?」


「それは俺の勝手だ」


「それもそうだね。それより貴方はこれからどうするつもりなの?」


私は学校が違うから、あの日に爆弾発言をしただけで、そこ後はなにもしていないけど彼は違う。


あのクラスの生徒なんだから…


「俺は、俺なりのやり方で沙耶の無念を晴らす。復讐する」


彼の目は狂気に満ちていた。

彼は誰にも見せた事なんてないだろう


沙耶だってきっと知らないはず。


彼がこうなってしまったのは沙耶が亡くなったからであって、それが他殺だとわかってからだった。


サイコパスってわけではないけれど手段を選ばないんじゃないかと、こっちが冷や冷やしてしまう。


だけど、そんな彼を私は止めるつもりはない。同じように悲しみを背負っているからだ。


「貴方が後悔しないなら、私は止めたりしない。貴方の自由にすればいい」


「…梶谷」


「貴方の覚悟は知ってるから」


彼を縛り付けるつもりはない


私は私のやり方でお別れの挨拶でクラスメイトを疑心暗鬼させた。


それだけでも控えめで大人しくいつも居場所を探している尾崎さんを追い詰める事が出来た。


私は、ただ話しただけ。

言葉は時には武器になる

刃物のようにね。


もしかしたら言葉は何よりも重い存在なのかもしれない。


「梶谷は、どうするんだよ」


「え?」


「このままだと日比野に会うぞ?」


「会っても問題ないよ」


会ったところで翔子は何も出来ない


何も解決しないよ。


だって平和ボケしてる翔子から

犯人は以外と近くにいるのに全く気づいていないんだからさ。


私と会ってもムダ足踏むだけ


私に会うために受験校を変えるなんて哀れの他に何がある?


「受験校を変更しなければ青春を謳歌する事ができたのにね…」