ボクを抱え、部屋に入る。

そこには『仲間』がいた。

ここに連れて来られるまでいた所にいた『仲間』が。

数えきれないぐらい。

「私のお友達よ。あなたも。今日から私の新しいお友達。よろしくね」

女の子はボクに向かって話かける。

友達?

友達って何だろう?

「名前を付けなくっちゃね」

う〜んと、人差し指を頬に当てながら考える。

「そうだ!ベティ。ベティがいいわ!あなたの名前はベティよ」

女の子はボクに抱き着きながら言う。

ベティ。

ボクの名前。

うれしいな。

ボクの名前。ベティだって。

初めてだ。

名前を付けてもらったの。

おばさんは名前は付けてくれなかったから。

うれしいな。

なんだか、胸の辺りがぽかぽかする。

何だろう。

「私はリサ。今日からよろしくね。ベティ」

ボクこそよろしく。リサ。

何だか照れ臭い。

初めて名前を付けてもらって。

初めて名前を呼んでもらって。

初めて友達ができて。

今日は初めてづくしだ。

ここは何だか居心地がいいなぁ。

何でかな?

「ベティ。あなたの場所はここよ」

考え事をしているうちにボクは移動されていた。

ボクが置かれたのはふわふわの大きな布の上。

「今日から私と一緒に寝るのよ」

一緒?

一緒に寝るの?

この大きなふわふわの上で?

リサは答えてくれない。

「みんなに紹介しなくちゃね。みんな。新しいお友達よ。ベティって言うの。仲良くしてね」

リサはボクの紹介をする。

よろしく。

ボクはみんなに挨拶する。

みんなもそれぞれ挨拶を返すしてくれる。

新入りだなぁ。

よろしく。

どこから来たの?

みんなに声をかけられ、ちょっと戸惑う。