「ではそんないい子のお姫様にプレゼントだ。5歳の誕生日おめでとう」

ガサッ。

「パパ。ありがとう!開けていい?」

興奮した声が聞こえる。

「いいよ」

ガサガサガサッ。

光が入ってくる。

ボクの周りにあった膜が取られていく。

「大きなクマさん!ありがとう!パパ!」

ボクの視界が開ける。

目の前に女の子がいた。

ギュッ。

ボクは女の子に抱き着かれる。

「ママにも見せてきてもいい?」

「ああ。見せてきなさい。1人て持って行けるかい?」

「大丈夫よ」

うんしょっ。と、言いながらボクより1回り小さな女の子がボクを抱えて連れて行く。

「ママ〜。ママ。見て!リサの新しいお友達」

「まぁ。リサ。よかったわね。可愛いお友達が増えたわね」

ママと呼ばれた女の人がボクを見ながら言う。

この人もいい匂いがするなぁ。

甘い匂い。

「リサ。あなたの大好きなケーキを焼いたの。パパを呼んできてくれる?」

「わかったわ。この子を部屋に置いてくるから待ってて」

女の子はまたボクを抱えて歩き出した。

階段を上り、1つの扉の前で止まる。

「ここが私の部屋よ」

ボクに向かって話かける。

「今日からここがあなたのお家」

扉を開けて言う。