ボクは何度も問い掛ける。

どこへ行くの?

ボクをどうするの?

だけど答えは返ってこない。

キュッ。

「着きましたょ」

「ありがとう。いつもすまんな」

「いえ…。そのようなことは」

どこかに着いたらしい。

でもここがどこかボクにはわからない。

ガサッ。

ボクのカラダが浮く。

またどこかに連れて行かれるんだ。

カランカランカラン。

扉の開く音。

「パパ!お帰りなさい」

女の子の声がする。

「いい子にしてたかい?リサ」

「ええ。リサはいつもいい子よ」

リサと呼ばれた女の子が澄ましたように言う。