バタン。

ボクは何かの上に置かれる。

「待たせたな。出してくれ」

「かしこまりました。お目当ての物は見つかりましたか?」

別の男の声がする。

「ああ。きっと喜ぶ」

「旦那様の帰りがきっと待ち遠しいでしょうね」

ボクのカラダが微かに上下する。

ボクは今どうなっているの?

ここから出して。

ボクは問い掛ける。

でも返ってくる言葉はない。

「最近仕事が忙しくてかまってやれなかったからなぁ。ご機嫌取りだ」

「そのようなことを…。わかってらっしゃいますよ」

「早いものだな。もう5歳か…」

またボクのわからない話をしている。

いつもそうだ。

ボク達を連れて行く人達はいつもわからない話をする。

そしてどこへ連れて行くのかも…