「ジョルフェムのために社長はお前を追い詰める存在にならなきゃいけない。だけど、追い詰めて潰れて欲しくない。助言はしないけれど、力強く抱きしめてやる」


私には強い味方がいる。だから絶対に社長のところまで這い上がって一緒に新しいジョルフェムを作っていきたい。


そのために私がしなければいけないのは、現状のジョルフェムを知ること。手っ取り早く思いついたのは、雑誌での扱い。


「嘘・・・」


病院が早く終わったので、駅前の書店に立ち寄り、雑誌を読むことにした。


積み上げられた雑誌を一冊ずつ、パラパラと捲るもジョルフェムの名前はない。自分のブランドなのに、私は本当何も知らなかった。


私が高校生の頃は、たくさんの雑誌で特集が組まれるほどの人気ブランドだったはずのジョルフェム。


でも、今は数冊ある雑誌のたった一冊の半分のページに少しだけ載せられているくらい衰退していた。