「西原先生、いろいろありがとうございました。また怪我をしたり、外科でお世話になることがあったらよろしくお願いします」


「あはは、本当にみぃちゃんは面白い。外科でお世話になるようなことなんてない方がいいんだからね。あっじゃあ次は産婦人科で待ってるよ」


「産婦人科?!」


「あはは。そんな驚かなくても。というかリョウって本当に大事にしているよね、みぃちゃんのこと。俺なら据え膳食わぬは男の恥ってもういただいちゃってるけどなぁ」


「西原先生、今、俺って!」


「あ?あれ?僕の間違えかな?まあまあ、でも本当、リョウの親友として困ったことがあったらいつでも連絡してきてね」


二面性があるかもしれない西原先生にお礼を言って診察室を後にした。いつもなら諒が来てくれるけれど、もうそれはない。


今、諒は社長としての仕事を全うしている。ここからショップまでは電車で二駅。電車に乗るのは久しぶりだった。


ジョルフェムを変えるきっかけ。


昨日、与えられた課題を結局、明け方まで考えていた。昨日から別々に寝ることになった私たち。ただし、諒は私が甘えたいときは心の拠り所になると言ってくれた。