「うん。もうこれなら経過観察もいらない。みぃちゃん、通院卒業だね」


次の日、諒に送ってもらい、診察前の西原先生のところに向かった。

もう痛みどころか、捻挫をしていたことすらも忘れるほど意識してなかった。でもあの事故があったから今の私はこんなに幸せなんだ。


「それにしても、みぃちゃんおめでとう。最初、ここにみぃちゃんを連れてきたとき、まさかあのリョウが面倒をみるなんて言うからびっくりしたけれど、今思えば二人はその運命の赤いハートのチャームが繋いでくれたんだね」


西原先生ってば、サラッとそんな恥ずかしいことをニコニコと言う。そりゃ私だって思ったけれど、さすがに口には出さなかったのに。


「みぃちゃん、ありがとう。リョウの親友としても感謝してるよ。あいつは、昔から自分でレールを敷くことすら放棄してたから。だから、リョウから『俺がジョルフェムを変えてやる』なんて聞かされたときは本当、涙がちょちょぎれるかと思ったよ」


シクシクと泣き真似をして鼻をすする西原先生だけれど、きっと本当に喜んでくれている。


なんだかんだでこの二人はお互いを大事に思ってる親友なんだろうな。