「三宅から聞いた。EMISIAで相当風当たりがきつかったらしいな。悔しかったか?」


「・・・はい。すごく悔しかったです。私の大好きなジョルフェムがどうしてこんな風に言われなきゃいけないんだって」


思い出しても奥歯をぐっと噛み締めたくなる。ジョルフェムをバカにしたこと、忘れたくても忘れられない。


ジョルフェムはみんなから愛されるブランドなんだって声を大にして言いたい。



「・・・だったら、革命を起こしてみろ。今まで築き上げてきたジョルフェムを壊しても構わない。お前がジョルフェムを変えるきっかけを作れ」


「ジョルフェムを変える?革命、ですか?」


「俺は今、あいつらを全て解雇して新しい風を吹かせる準備をしている。その新しい風にお前が欲しい。だが、今のお前はうちの足を引っ張るだけだ。必要な人間ではない」


「・・・はい。その通りだと思います」


ダメだ。さすがにここまで言われると堪えていた涙が止められない。溢れる涙を何度も何度も拭うけれど、拭っても拭っても流れてくる。


「俺のところまで這い上がってこい。お前の実力を俺にぶつけてみろ。ジョルフェムを好きだというならバカにした奴らが、ひれ伏すくらいの実績を残してみろ。そうすればお前を格上げしても誰も文句は言わない」


「そ、そんなこと、出来ません。何をすればいいのかもわからないですし、私みたいなショップ店員がそんな大それたこと・・・」


「出来ないなら、お前はいらない」