「・・・お前に一つ聞きたいことがある」


「な、なんでしょうか?」


「お前は本当に、ジョルフェムの店長になりたいか?」


「どういうことですか?」


「俺にはお前に店長の素質があるとは思えない。むしろ不適切だ。俺はお前を店長にするつもりはない」


言われた途端、瞳に涙が浮かんだ。悔しいからじゃない。その通りだから。


三宅さんに推されて店長になると言ったけれど、実際は店長になんて向いてないと自分が一番わかってた。


ずっと憧れていたあの店員さんだって、結局は社長が「接客してやってくれ」と言ってくれたから私に着いて、接客してくれていただけ。


自主的じゃない。


もちろん、チャームが社長からのプレゼントだということは、本当に嬉しかった。



だけど、逆に私の目指しているものが何かわからくなった。『あの店員さんみたいになりたい』という道しるべを失った私は、最初からほとんどなかった店長になる自信すら失ってしまった。