みんな治療時間に予約を取っているのに自分だけいいのかな?と思ったけれど、さっき諒に言われたばかり。甘えたらいいのか。


「いいに決まってるよ。リョウの特別な人だからね。それにしても、みぃちゃんが倒れたときのリョウの慌てっぷりったら。外科医の僕に電話してきてどうしたらいいか?なんて聞くんだよ。本当、みぃちゃんのこと溺愛してるよね」


「・・・ ああ、お前に言われなくても溺愛してる。余計なことをベラベラと話すな。要件を伝えたらすぐに切れ」


私が西原先生に聞かされた話で赤面していると、「誰と話している?」とシャワーを浴びて寝室に戻ってきた諒が不機嫌そうに言い、私の手から携帯を奪った。

そういえば、前もこんなことがあった。涼の電話のときだ。もしかして、あのときもヤキモチを妬いてくれていた?


「明日だな。連れて行く。わかった。帰りは迎えには行けないからタクシーにでも乗せてくれ。じゃあ切るぞ」


私が代わることもなく、切られた電話。どうしよう。きた?ついにきた?体がこわばる。


「期待してるところ悪いが、今日はキスまでだ。少し堪能したらお前に社長として話がある」


そう言った諒は、さっきよりも少し強引にキスをした。