森川驚いていた。いつも目ギリギリまである前髪も背の高い俺を見上げるかたちになり、横に流されていた。
初めて見る森川の表情。顔が真っ赤になっていた。そして、森川はとてもキレイな顔立ちをしていた。色白で外国人のような平行二重に通った鼻筋。そして、小さい顔。
森川の唇にあてていた人差し指を離す。
「¨私なんか¨って言うような人間じゃないよ森川は。自身を持っていいと思う。」
「…ーーくん…」
「ん?」
森川の発した言葉を聞き取ることができなかった。
「もし、迷惑じゃなかったら。参加したい。…海」
「当たり前!迷惑なんて誰も思わないよ。ここに、書いて。名前」
森川にさっきのメモとペンをを渡す。
「こうゆうの初めてだから何か緊張しちゃう」
「大丈夫だよ。ゆっくりで」
自分が参加者として名前を書くのは初めてだという。俺らには普通のことも森川には新鮮に見えてるんだな。
こんなに話しやすくていい子なのに、今まで何でひとりでいたのだろう。