なんて言ったらいいのか戸惑っていると、横に垂れた長い髪を耳にかけようとしたロードさんの右手の中指に、キラリと光るものを見てしまったあたしは、思わず叫んだ。
「ゆ、指輪!!」
「へ、ああ、これ?ユナに貰ったのよ」
「ユユユ、ユナさん!?」
「?そうだけど」
その瞬間、あたしの頭の中で、何かがパチンとはまる音がした。
ユナさんの好きな人は、書籍部のー――…
「ちょっと待って!」
きらきらと瞳を輝かせるあたしの前に、ロードさんは険しい表情で手のひらを向ける。
「…まさか、ルチルちゃん、あらぬ誤解をしてない?」
「…へ?誤解?」
あたしのきらきら鮮度が少し下がったのを見て取ったのか、ロードさんは一気にたたみかけてきた。
「いーい?ルチルちゃん。あたしとユナは、付き合ってるとか、そんなんじゃないの!だって、あたしたち姉弟だもの。血は繋がってないけどね。お互い再婚相手の子供だったの。で、この指輪は誕生日にユナに買ってもらったの。以上!」