「あんたが護ってんのは、"姫様"じゃない。アイツ自身だろ」
「………ッ」
その言葉は、何よりも俺の心を強く突き刺した。
「あんたは、"姫"…今は"王"という立場がどうなろうが、どうでもいいんだ。アイツが無事なら、それでいいって思ってんだろ」
どうしてウィンは、いつも急所を突いてくるのか。
両手を強く握り締め、否定しようとしたが、出来なかった。
―――それは、紛れもない真実だったから。
「…俺は、そんなやり方はしない」
ウィンは、真っ直ぐに俺の瞳を見て言った。
「俺は、アイツの全てを護ってやる」
「………ウィ、ン」
かろうじてウィンの名を呼んだ俺は、恐ろしく情けない顔をしていただろう。
けど、目は逸らさなかった。
胸の奥につかえる気持ちを呑み込んで、一言呟いた。
「やはり…補佐になってくれない方が良かったです」
そこに詰め込まれた俺の気持ちを察したのか、ウィンはニヤッと笑った。
「…やっぱそれが本音か」