「あれ、もしやラブレターですか」


「…はっ倒すぞ」


「あはは、冗談ですよ」


ウィンから声をかけてくるのが珍しくて、つい冗談を言ってしまった。


けど、渡された紙を開くと、俺は言葉を失った。


俺が何も言わないので、ウィンが話し始めた。


「…あれから気になって、伝令部に調査を依頼した。その結果が、それだ」


俺の心臓の鼓動は激しく、うまく舌が回らないまま、訪ねる。


「こ…のこと、姫様、には?」


「…まだ言ってねぇ。でも、これが事実なら…」


「言わないで、下さい」


ウィンは眉をひそめ、俺を見て言った。


「あんたさぁ、騙されてんだよ。このままじゃアイツ、死ぬぞ」


俺は唇を噛みしめつつも、反論した。


「その気があるなら…姫様はもう、いないはずです」


「そんなのわかんねぇだろ!チャンスなんか、いくらでもあるだろ!?」


「ですが、ウィン…」


「俺にはわかんねぇ」


ウィンが乱暴に吐き捨てた言葉に遮られ、俺は口をつぐむ。


「俺には、あんたがしたいことが、さっぱりわかんねぇ」


「俺は、姫様を…」


「"姫様を"?違うだろ」


ウィンの冷たい眼差しが、俺に向けられた。