入学してから少し経った、5月中旬。





いつもと変わらないガヤガヤした教室





わたしはあれからといい、ユウちゃんとずっと一緒だ





ハルとも変わらなくいつも通り接していた





「モカちゃん、モカちゃん」




「どした、ユウちゃん?」




「ハル王子の好きな子って知ってる?」




ハルの好きな人!?




今までそんなの考えたことなかったなあ




歳も歳だし、好きな子くらいいるよね






「知らないなあ、知ってるの?」




なんかねーと楽しそうに話すユウちゃん







……



………





(ハルside)





いつも通り、俺はモカと登校する




「ハルー、最近学校どう?たのしい?」




無邪気な笑顔で聞いてくるモカ




「楽しいよ!今日、みんなと放課後カラオケいくんだ〜、ってモカもくるか???」




「!!!、行かないよ!へたくそだし」




ムッとした顔で答える





「女子もいるんだぜ?あの、モカの仲良しなユウちゃんって子も!」




「ユウちゃんもいるの? 」




今まで興味なさそうにそっぽをむいていたモカがこちらを向く




「うん、あの子、俺の仲のいいやつと付き合ってるんだって。それでついてくる」




ほぇ〜と納得したような顔




どちらかといえば安心したような?




「ま、そんなとこかな」



なんて会話してる間に教室につく





あっという間に放課後になった




「カラオケいくやつー、いくぞーー」






俺と1番仲の良い、相川リクがみんなを集めだす




こいつもまた、クールだけどかっこいい




女子にすごく人気のある奴だ






「じゃあみんないくぞー」






学校を出てカラオケへと向かった









「はーい、次俺歌いまーす」




調子のいいリクが歌う





「ねえ、ハルくん!」





こいつは確か、リクの彼女でもありモカの友達でもある、ユウちゃんだ





「ハルくんって彼女いないの?」





ゴホッ





突然の質問に飲みかけのメロンソーダでむせた






「なんだよ、突然」





ごめんごめん、と笑いながら手を合わすユウちゃん





「いや、いねーけど?」






なにかを察したのか、次の質問が来た






「好きな人は???」






好きな人…







そんなのいるに決まってる






ずーっとずっと片思いしてきた






無邪気に笑う顔





なにかを必死に頑張ろうとする姿





落ち込んで泣いてる姿






全てが愛おしい






まあ、肝心のその子は鈍感だから気付かないけど







「好きな人はいるよ」






きゃーっと手で顔を隠すユウちゃん





誰?誰?と食い気味に尋ねてくる






「いわねーよ!!!!」






「なんでよー!じゃ、どんな子?」





「… すごい優しい子。」





「ふーん」






ニヤニヤしながらこちらを見る





こいつ、なにか気づいているのか?





バレる素振りはしてないハズ…








なんて会話をしたり、みんなでデュエットしたり楽しい時間はあっという間に過ぎていった












……





………