学校へ到着した私たち
クラス表が出ている体育館へ向かう
「ね、見てあの人」
「あの人かっこいい」
「隣の人、彼女かな?」
ハルの事だ
やっぱり騒がれるくらいのイケメン
お調子もののハルだけど女子にはすごく優しいもんね
「モカ!モカ!」
なにやら先にクラス表を見たハルがわたしを呼ぶ
「なに?」
「クラス、一緒だ!」
「ほんとだ、サイアクー…」
なんて言ったものの内心ホッとする
出席番号も前後。
クラスのかかれた紙が貼ってある教室へ向かった
「1-A、ここだっ」
ドアを開ける
指定された席に座るとハルはその後ろの席に座る
「俺たち席も前後とか運命だなっ」
なんて調子のいいことを。
「なにゆってんのよ、ハルと運命とかやだよ」
はぁ、とため息をついたハルは席を立つ
ガヤガヤした教室。
ともだち作んないとな〜なんて思っているとふいに誰かがわたしの肩を叩く
「ねぇ!わたし、多賀ユウ!席隣だね、これからよろしく!」
横を振り向くとかわいらしい清楚な黒髪のボブの子
「ユウちゃんってゆうんだね!わたしは坂野モカ、よろしくね」
「よろしくねっ!てゆうか、後ろの席の子知り合い?」
「知り合いっていうか幼なじみかな。」
興味なさげに答える
「もしかして!佐々木ハルくん???」
「え!なんで知ってるの????」
なぜ?と食い気味に尋ねるわたし
「そりゃー、佐々木ハルは王子って言われているからね!学園の王子様!!!先輩とかも入学してくるのすごい楽しみにしてたよ」
が、が、学園の王子様〜!!!?
ハルがそんなこと言われてたなんて気づかなかった
王子様って言いすぎでしょ
「そうなんだ、知らなかったよ。ハル、有名なんだね」
「ほら、見て廊下! 」
言われた通り見てみると廊下にはたくさんの女子。
「きゃーハル君かっこいい」
「王子様と隣のクラスーーー!」
「彼女いるのかなー?」
なんちゅうモテモテ。
パッとハルの方を見る
無邪気に他の男子と仲よさげに会話している
ホッ
ハルにも友達が出来たみたいでよかったと胸を撫で下ろす
にしてもハルの人気、知らなかったなあ
高校初日から近かったハルの存在が遠くなるのを感じた