「よし!」
鏡を見て、茶色いセミロングの髪をふたつに結ぶ
スカートの丈を短く折り気合を入れる
ー…坂野モカ
今日から念願の高校生
胸を高鳴らせ、勢いよく玄関を出た
「友達100人でっきるっかな〜♪」
陽気に歌う
「へったくそ」
誰よ!と言わんばかりに後ろを振り向くと幼なじみ。
ー…佐々木ハル
黙っていれば普通に男前。
前髪のかかる少し明るい髪
ハルとは家が隣で昔からの幼なじみ
なぜか高校も同じだ
「もーハルうるさいなあ、人がいい気分で歌ってたのに」
「お前の歌なんて聞いてられねーよ」
ははっと笑うハルにドキっとする
いつの間にか男の子から男になって
背もぐんぐんのびていた。
そりゃもう、お互い高校生だもん
「モカー、まてよーーー置いてくな」
急ぎ足で学校へと向かう