反則だよ。
弱ってるあたしを助けてくれるから、あたしはあなたにまた恋をしてしまう。



「優くん!?」



突然の登場で驚いてしまう。
あたしの声が神様に届いたのだろうか。
優くんがあたしの前に立ち、先輩を睨み付ける。

優くんの背中があって先輩の顔が見れないけれど、きっとさらに眉間に皺を寄せているだろう。



「お前…誰?」



慎重に相手を探ろうとする先輩。
優くんはあたしのことを何て言うだろうか。



「百合の友達です。彼女嫌がってるじゃないですか。やめてください」




「は?お前には関係ないし。つうか、お前見たことあるわ。この前、体育館で相沢と喋ってただろ?」



心が、揺れる。
気持ちが、沈む。


先輩の言葉を聞いて、急に悲しくなるあたし。
優くんはあたしの知らないところで恋の蕾に花を咲かしていたんだね。

やっぱりあたしなんか無理か…。