そして夜になった。
疲れた体をベッドに寝かせる。
花柄の壁紙があたしの心を癒していく。
先輩の言葉がぐるぐると回っている。
何もしないから寝かせろと言って、嫌だと言ったら幸せを許せないと言う。
そんなのおかしいよ。
どうすればいいの?
優くんに迷惑かけたくない。
あたしだけで解決したい。
そんな時、部屋中に着信音が鳴り響いた。
今流行りの洋楽。
女性アーティストが気持ち良さそうに歌っている。
あたしはデスクの上に置いてあった携帯を手にとり、液晶画面を見た。
映し出されていない名前。
一体、誰から?
「はい…もしもし?」
不安が募る。
もしかしたら先輩かもしれない。
あたしの邪魔をするのが好きだから。
「…………」
電話の向こう側に集中するが、返事はない。
静かなまま。
誰、誰なの?