その次の瞬間、先輩は不気味に微笑んだ。



「…俺がそんなことすると思うわけ?」



あなたはきっと壊そうとする。
人の幸せを喜べない人だもの。


あたしはそんな人間になんかなりたくない。



「…言いませんから、帰ってください!もうあたしと先輩は関係ないから。」



「じゃあさ、何もしない代わりに、俺の願い聞いてよ」



その言葉を聞いて、咄嗟に上を向く。
先輩があたしを真剣な表情をし見つめる。



願いを聞いたら、あたしを自由にしてくれますか。
幸せを願ってくれますか。



「…何ですか?」



「もう一回抱かせて」




ぱりん、とガラスが割れたような気がした。
何の音?
あたしの心の音だろうか。


何を言っているのだろう?


「意味が…わかりませんけど…」




「百合がもう一回、俺と寝てくれたらそれでいいよ」



あたしが先輩と寝る?
彼氏と彼女でもないのに?


そんなこと出来るわけないじゃない。