優くんは、何て思う?
苦しい、助けて…って思うかな?



化粧台の椅子にちょこんと座り、鏡で顔を見る。冴えない顔。
鏡の中の自分は、笑っていない。



朝は嫌いよ。
だって片思いの始まりなんだもの。
けど、あの日から朝が来るのが楽しみになった…。



「百合、起きてる?」


トントン、と部屋のドアがノックされる。
あたしはドアに向かって「起きてるよ、おはよう」と挨拶をした。
母はあたしの声を聞いて安心したのか、一階へと戻って行った。



体は起きてる。
けど気持ちが起きてない。




この日、小さな事件が起きた。
些細な出来事。
けれどあたしにとっては大きな出来事。



今でも苦しい胸が、更に苦しくなった。
きゅっと詰まって、逃げたしたくなった。



優くんを好きなのは、
あたしだけじゃない。