前に言ってくれたじゃない?
あたしが笑えば幸せだって。
だから笑うの。
「はい…えっと…明日からあたしはこの地を離れます。本当に寂しいです…。でもまた笑顔で帰ってくるのでよろしくお願いしますね!」
真っ白になった頭の中から、言葉を見つけ出して、スピーチをした。
その瞬間、また拍手で教室が一つになった。
その音はあたしを応援してくれているようで…
あたしは白い歯を見せて笑う。
まとまるクラス。
みんなとは今日でお別れ。
また再会したときも、笑顔で…。
優くんと一緒にいられる時間は、もう残り少ない。
サヨナラをする前にあたしにはやることがある。
カバンの中にある手紙を未来に出さなくちゃ。
これがあたしの最後の使命。
ホームルームが終わり、みんなが帰っていく。
「百合、帰ろ?」
優くんにこう言われたが、一緒には帰れない。
使命が…ある。