涙を流しながら、家に着いた。
ベッドに横たわり、悲しさに耐える。
でもやはり涙は止まってはくれなかった。


そして体が震え出す。

昨日見た夢を思い出してしまったからだ。


あの怖い夢。
堕ちる飛行機と、真っ暗な世界。
冷たい水に、濡れるワンピース。


今でも鮮明に覚えている。
それも涙の原因だろう。

真っ暗な世界はやがで真っ白になり、その世界に映る優くんの姿。



この夢はなに?


もしかして…。



この夢のことを優くんに言えなかった。
言ってしまったら、怖さが増して、優くんを困らせそうだったから。



思い出したくもない夢。でも伝えたかった。



あたしは体を起こして、勉強机に向かう。
椅子に座り、引き出しから使いかけの便箋と封筒を取り出す。
ピンク色の便箋と封筒は、あたしの色を表していた。


ボールペンを持ち、文字を書いていく。



あの夢が正夢になったら、あたしは後悔するだろう。

後悔をしないように、あたしはあなたに真実を伝えておきたい。




この手紙を、タイムポストに…。