この夜、あたしは脱け殻となった。
先輩から離れていった。そして一番好きな人に近づけるチャンスがあった。
でも、チャンスは儚く散っていった…。
桜が地上で息を引き取るように、あたしは携帯の前で散っていった。
優くんからのメールを待ち続ける中、沙紀とメールをしていた。
沙紀は『頑張ってね』とエールを贈る。
だから頑張ろうと思えたんだよ。
だけど、ごめんね。
あたしは頑張っても無理なのかな。
この日、あたしの元にメールが届いた相手は、
木田和樹という人からだった。
《初めまして!1年5組の木田和樹って言います!突然メールしてごめんね。優から教えてもらったんだ。よろしくね♪》
ねぇ、どうして片思いってすればするほど、抜け出せなくなるのかな。
この恋は、一方通行の恋なのかもしれない。
でも…
あたしはいつまでも優くんを見つめていたいって思うの。