「着いたー!」



無事に水族館に着き、入場券を買って水族館に入った。
まず最初にあたしたちを出迎えてくれたのはイルカだ。
大きな水槽を自由に泳いでいる。
やはり見た瞬間、どこかの貴族に見えた。


華麗な姿が、あたしを虜にする。



「優くん!可愛い~」



可愛いって言われたら嫌?
やはり綺麗という言葉があなたたちにはお似合いね。



「すげぇ久しぶりだな~水族館」



優くんはぐるりと水族館を見渡していた。
何も変わっていない空間に、あの思い出が蘇る。



「ねぇ~!あっペンギン!」



「百合、そんな走るなよ」



いつの間にか、繋がられていた手が離れていた。興奮していて離れてしまったのだ。


興奮するのはここまで。優くんとの時間を大切にしなきゃ。



「どした?」



優くんの方に戻り、手を握る。



「まだ時間あるからゆっくり見ようかなって。優くんと一緒に」