手を繋いだら愛が増す。優くんは知っていたんだよね。
だからあたしの手をずっと握っていてくれたんだよね。


電車はあたしたちを水族館のある最寄りの駅まで運んでいく。



隣同士に座って、移りゆく街並みに視線が奪われる。



「何見る~?」



「百合、それ前にも言ってなかった?」




憶えてくれたの?



「だって楽しみなんだもん!水族館だぁいすき」



優くんのことは、もっともっともっと…大好き。



「お前ガキみてぇ、だからほっとけないんだよ!」



目を細くしてくしゃっと笑う優くん。
どきっとする心臓。
いつも一緒にいるのに未だにドキドキさせるのは反則だよ。



「ガキだよ~だ」



頬を膨らませて、そっぽを向く。
すると優くんはあたしの頬をつんっとしてまた笑う。



もう大好きすぎるよ。
今日は楽しもうね。