本当は不安だった。
あの日に届くか。
あたしの気持ちを全て書いた手紙だから、優くんには読んでもらいたかった。


届いたよね。
だからまた逢えたんだよね。




次の日になり、あたしは休み時間まで勉強をする。
英語の参考書を開いて、問題を解いていく。

優くんと斉藤くんと沙紀はあたしに気を使ってくれているのか、廊下で会話を楽しんでいた。
申し訳なさが積もるけれど、応援してくれているからあたしは頑張れる。


優くんはあたしの留学の話を納得してくれたけど…もし『行くな』って言われてたら、どうなっていたのだろう。
あたしは行かなかったのかな…。


『寂しいから行くな』って泣きながら言われたら…きっと行くのを辞めていたはず。
でも優くんは『頑張れ』って言ってくれた。



少しだけ、『行くな』って言って欲しかった…かも。




「百合ー。行きたい場所決めた?」




すると廊下から笑顔で優くんがこう言ってきた。