「素敵な夢だよ、優くんならできるよ!あの写真すごいキレイだもん!」


誰かがあの写真を見たら、きっと恋をした時と同じ気持ちになるはず。
世界中の人々に見て欲しい。



「ありがとな百合…頑張れよ。」




「優くんもね…」




「うん、俺あきらめないよ。俺天才だし。なぁ…百合?」




そうだよね、優くんなら出来るよ。
いつかあたしの写真も撮ってね。



「ん?」



「百合が旅立つ日まで、俺達の思い出たくさん作ろうよ…」



携帯を持つ手が強くなる。
そして涙腺が緩む。
急に切なくなったのだ。


「うん…たくさん作りたい」




「よし決まりな!明日までに行きたいとこ決めておくこと~!」




この日、あのテレビを見なかったら、優くんの未来に再びあたしは現れなかっただろう。




ねぇ、優くん…。
あの手紙は届きましたか。