涙が頬を伝っていく。
生暖かい涙があたしの心を癒す。
溜めていた涙が一気に流れ出す。



「え?ほんとに?」




「百合と離れても俺の気持ちは変わらないよ」



信じるよ、その言葉。
愛しさが一気に込み上げる。


愛しい、愛しい。
今すぐにでも逢いたい。抱き締められたいよ…
あの香水の匂いで優しく包んでください…。



「ありがとう…優くん」



「百合聞いて?俺…夢決まったよ。俺…写真やるよ。今日百合が俺の撮った写真をキレイって言ってくれて、めっちゃ嬉しかったんだ。それで写真をやりたいなって思った」




誰かの言葉で、夢が決まる。
安易な手段かもしれない。
でも『頑張って』という言葉があれば夢は叶うんだ。


あたしは優くんが背中を押してくれたから頑張れる。
優くんはあたしの言葉で夢に進むことができた。



これっておとぎ話より素敵じゃないかな。