「え…留学?」



やはり反応は当たっていた。
そう言うのも無理はない。
きっと優くんの頭の中はぐちゃぐちゃになっているだろう。
そうしているのはあたし。



小さな声を漏らして今の状況を話していく。


ごめんね、あたしの勝手な夢で優くんを辛い思いにさせてしまって…。



「うん…今ね、先生と話し合っているの」



もしかしたら早くに留学出来るかもしれない、と先生は前に言っていた。あとは校長先生と検討するだけ。




「な…何を?」




「ん?留学についてだよ。もうすぐ、ホームステイが決まるかもしれないの」




「えっ…?何?は?いっ、いつ?」



動揺している優くん。
あたしは平然を装う。
自分にはそんな余裕なんてないのに。
馬鹿よね、あたし。
離れたくないなら、留学なんかしなくてもいいのに。

でも優くんにふさわしい彼女になりたいから自分を強くさせたい。

留学は、挑戦。



「今月の下旬くらいかな…」