本当は理由を聞きたかった。
悲しかったら、悲しいと。
寂しかったら、寂しいと。
素直に言えるような関係になりたいと願ってはダメかな。



部活中、ずっとそのことばかり考えていた。
あの瞳が離れない。
だから今日はいつもよりミスばかりをしてしまった。



オレンジ色の空の下で運命が変わっていく。
この日、優くんは夢に近づいた。


一番近くで応援したいあたしは、あなたの見上げる空をいつも青色に染める。
優くんが笑ってくれるように。



部活が終わり、急いで着替えて教室に向かう。
けれど教室には優くんの姿はなかった。



「あれぇ?」



待ってるって言ったよね?
どこで待っているのかな?


中庭、図書館、体育館。思いつく場所に全て行ったけれど、姿はなかった。



帰ったのかな?
でも帰るのなら一言言ってくれるはずだし…。



優くんを信じる。
だからあたしは校門の前で待つことにした。