あたしから飛び出す答え。
笑顔でみんなを見ながら、こう言う。
「…内緒!」
「何だよそれ~!隠すなよな~!!」
残念そうな表情を見せる斉藤くんと沙紀。
どうしても優くんの顔を見ることができなかった。
「まだ教えない!早く食べないと授業始まるよ~」
サンドイッチを一口かじって、ちらっと優くんを見上げる。
すると変わらないあの笑顔で笑ってあたしの頭を優しく撫でた。
「一番お前が遅いから」
優くんの笑顔が好き。
この笑顔が見られなくなるのは嫌。
だから引っかかるのかな。
そして午後の授業が始まり、授業中ずっと考えていた。
留学のことを。
留学はあたしの夢でもあるし、憧れでもある。
勉強したいし、いつか通訳の仕事に就きたい。
でも優くんを一人にさせたくない。
空いた一年半の苦しさを考えると、これ以上優くんを悲しませたくない。
どうしたら…