みんなが集まっている場所まで歩いていく。
近づくにつれてみんなの表情が真剣になっていることに気づく。
どうしたのだろう?
「何の話~?」
優くんの隣に座って、会話の中に入っていく。
そこは、もうすでに受験戦争が始まろうとしていた。
「進路の話~」
優くん、斉藤くん、沙紀が口を合わせてこう言った。
その返事に、サンドイッチを持つ手が止まる。
まだみんなには留学のことを言っていなかったからだ。
なかなか切り出せなくて。
もし優くんに言ったら、悲しむだろうから。
「小林は決まってんの?」
カレーを食べながら、突然斉藤くんが聞いてきた。
何て言えばいいのかな。
迷ってしまうよ。
「え~…」
言葉を濁らす。
ここでは言いたくない。
もう少し夢に近づいてから、言いたい。
それまで、待ってて。