でも一度に沢山幸せだと感じてはいけないと思うの。
少しずつ幸せだと感じるから、大きな幸せになっていくんだ。



「…うん。でもバス停まで送るよ」



「ありがとう」



手を繋ぎ、暗い道を肩を並べて歩いていく。




「ねぇ…優くん?」




聞いてもいいかな。
あなたはどう思う?




「なに?」




「運命って信じる?」




笑わないでね。
真剣に答えて?




「ん~…わかんない。百合は?」




だけど流されてしまった。
信じない、信じる。
答えはどちらでもなかった。



優くんの答えは『わかんない』




「あたしは信じる!優くんと出会ったのは運命だと思うの」




あの日、桜の散る中で出会ったのも運命。

恋をしたのも、一緒にいられるのも。

全て、運命。




「運命か…」



すると優くんは小さな声でこう言った。




「ん?」




「いや…何でもないよ。ただ運命って何なんだろうって思ったんだ」




あたしはこう思っている。





「運命は…神様がくれたモノだと思うよ?」