「迷ってたんだ…ナナか百合か…で、答えが出たんだ。その答えが百合だったんだ」
改めて言われると嬉しい。
恥ずかしいけれど。
優くんはちゃんと考えてくれたんだね。
「そうなんだ…百合ちゃん…また優をよろしくね?」
お姉さんの視線が優くんからあたしに変わる。
優しい笑顔で見つめられたら、不安もどこかに飛んでいった。
「あっはい!!」
「優も大事にしなさいよ?」
「おう!!」
まるで結婚の挨拶みたいで緊張した。
あたしはずっとあなたから離れません。
「百合、送ってくよ」
「ありがとう」
夜になり、月と星が真っ暗な空に描かれていた。
暗い街に街灯の光が切なく照らされている。
「百合、明日休みなんだから泊まっていけばいいのに」
「今日お母さんに帰るって言っちゃったんだ…ごめんね。またいつか泊まるから」
本当は泊まりたかったよ。
朝まで抱かれていたかった。