お姉さんの視線があたしに向けられる。




「あれ…?百合ちゃ…ん?」



「あ~もう…」



やっぱり、驚くよね。
恥ずかしさが溢れる。



「あっ、お久しぶりです」




ぺこっと頭を下げてとりあえず挨拶。
それでもお姉さんは理解できていないよう。



「何?どういうこと?」



「後で話すよ…百合、まず服着ろ?」



優くんの一言で今の自分の姿に気づく。
下着も何もつけていない裸の状態。
床に散乱する制服たち。

あたしは慌てて布団で体を隠した。



「ごっごめん!」



だから少し肌寒かったのか。




お姉さんは一旦部屋から出ていき、落ち着いてから再び呼んだ。



「優?どういうこと?」



お姉さんの前で正座をするあたしたち。



「俺…ナナと別れたんだ。んで、百合とやり直せることにした」



「別れちゃったんだ…優は百合ちゃんが好きだったの?ずっと」




お姉さんの言葉で気づく。
やはりこの部屋に広瀬さんは入ったのだと。
だからお姉さんは広瀬さんの存在を知っていたのだ。
あたしがここにいたら驚くのは当たり前。